前回の投稿から6日ぶりで…。

いやー、珍しく風邪をひいてしまいまして。
咳・鼻水・微熱が数日。
まぁ、寝込むような酷さではないんですけど。

本日のテーマは、そんな体調を引き起こした
(かもしれない)「競合プレ(コンペ)の功罪」。

競合プレゼンテーション、別名コンペティションのお話です。

コンペには、広告表現はもちろん、
コンサルさんが経営戦略から関わるものや、
建築事務所のアイデアとか、さまざまあります。

ま、すべての仕事と業界にコンペあり!ですね。

そして、数社、多いと数十社を競わせれば
素晴らしい成果が出るかというと…

記憶に新しい東京オリンピックのごとく、
一度は決定を発表したものの…
ロゴマークは「パクリ」問題で もめ、別の人になり、
建築も「予算と斬新さ」にびびって、別の人になり。

すごかったですよね。

まぁ、国家関連、公共事業ものは、
「多数の提案から公式に選りすぐった」お墨付きが、
「内容以上に」重要ですし。

いち企業さんの場合も、
「業者を指名」 よりは <「競合させること」を選びたがる。

参加側は当然、はなから「あなたを信頼して」と
お願いされたいし、長いお付き合いを望む。

私は、広告業界に44年いますが(いやはや!)
広告代理店時代、制作プロダクション時代、
独立して数名の自分の会社を立ち上げ、
いまはフリーランスの「一人おっさん企業」ですけれど、
さまざまなコンペに関わってきました。

成功あり、失敗あり。
喜びあり、涙あり、怒りあり。

しかし、独立後 数年経ってからは、
コンペの参加を依頼されても、ほぼ断ってきました。

理由は「ちゃんと膝詰で担当者&できれば社長と」
話し合わなければ、オリエンテーション
(企業側からのコンペ内容の軽い説明)だけでは、
表面的な提案で終わる恐れがあり、それこそ
企業の根幹に関わる骨太の組み立てができないから。

そして、誤解していた部分があっても、
それを含めて会議室で一方的に伝えて終わる。
微妙なニュアンスの説明や、話し合って解釈し合う
キャッチボールのチャンスもない。

コンペでは本来大切な=まずは決めるべき
「戦略」部分より、案外「戦術」に目が行きがちで、
例えば「○ :マル」か「□:シカク」かが肝なのに、
「クレヨンで描くのがおすすめで、鉛筆と万年筆もあります。」
「パステルにすると、制作費が下がりますか」とかね。

表現のプレゼンなのだから、綺麗なクレヨンの
「○ :マル」を徹夜してでも作って持っていこう、
としがちなのだけれど、
そんなことより、手でサラッと書いた「○ と□」を見せて、
そもそも御社はどちらでしょー、と話し合うのが
本来だと、私は思うのですが。
(その上で、決定したのが△なら、それを徹底的に詰める!)

そんなわけで、ここ20年ほどはコンペ=競合はお断り。

コンペは大手企業の場合が多く、
勝てば制作費が大きく、目立つ仕事になるものの、
徒労に終わることが多くて、心身の徒労に終わりがち。

採用にならなければ(つまり勝たなければ)
プレゼンにかけた費用はまるで(ないしほとんど)払われず、
私から声をかけた仲間との関係が悪くなることさえある。

ぐちゃぐちゃと広告代理店が絡む仕事も嫌いですし。
(代理店さん、ごめんなさい!
大きなプロジェクトには、広告代理店的な
専属担当チームが必要なことは理解しております…。)

唯一、こちら側としても企業さんとしても、
「コンペにすることで新たな発想やチームを
見出すチャンス」というのがあります。

私も、会社案内冊子のコンペに勝って、
そこから10年、競合なしで、広報物全般のお手伝いが
続いた大手企業さんもあります。

そうした「コンペの意義」は認めるものの、基本は
「競合させること」より < 「業者を指名して話し合い」 を
選ぶなー。

当然、アイデアの開始前には、
自己紹介(自社紹介)と過去の制作例をお見せして、
「人と内容に興味を持ってくださったら」スタート。

必然的に、いまのお仕事は、知人の紹介で出会う
中小企業・個人企業さんがメイン。
当然コンペの混乱はない、平和な毎日です(笑)。

そんな中でね、数年(数十年?)ぶりに
「まだ関わったことのない業種」の声がかかって、
面白そうだったのでコンペに参加したんですよ。
5社とか6社とかの競合でしたけど。

企画に2か月かけて、プレゼン時間は20分!

私もプレゼンでしゃべって、
クライアント(候補)さんとのやりとりも、
新たに知り合ったメンバーとの作業も、
とても楽しかったんですけれど、
プレゼン当日を挟むように風邪状態。

いやー、慣れないことはするものではありませんね。

結果はどうあれ、声をかけてくださった方々とのご縁は、
今後も財産です。

久しぶりのコンペで、知恵熱が出ました!?
って話でございました。