きょうも、前回に続き、
広告制作のことを書いてみます。(珍しいかも… 涙)

前回は「地図くらい作れよなー 、そのチラシ」
というタイトルで、街で見かけたA4チラシのお話でした。

お店の地図が「わずか3センチ四方」くらいの
狭いスペースしかなくて、
しかもGoogle Mapか何かのコピペだった〜
って事で、まるで読めないし、なんだこの手抜きは!?

デザイナーなら、道路や目印となる建物を簡略化した、
オリジナルの地図を作成しなよ、という話でございました。

もしかするとこれは、地図欄は設けていなかった
オリジナルのデザインデータに、
後からデザイナーさんではなく、クライアントさんが
はめ込んだってケースも考えられますけどね。

きょうはそんな続きで
デザインよりコピーライター的な範疇のお話です。

「課題をまとめるだけ、整理整頓するだけでは、
広告表現にならない!」というテーマ。

ザクっとまとめて「広告」と言っていますけれど、
まさにチラシでも名刺でもWebサイトでも同じです。

パワーポイント等で作られた企画書でありがちなのは、
丸や四角の枠で課題が囲まれていて、
一部は重なっていて、矢印があって、
「ここが攻めるべき領域!」とか、
「要素はこの3つ123」!とか…。

企画の整理の仕方やプレゼンの手法で
「ポイントは3つ」っての、よくありますね。
それって結局、1と3はおんなじことを言っていて、
結局2つじゃない? なーんて。

それでも、課題の整理整頓=まとめはすっごく大切です。
私の仕事も、粋(いき)な言葉を考えつくと言うより、
「たくさん聞いて、最小に絞り込む」のが、
仕事の大半だったりします。

親しいクラアントさんが良く言ってくださるように、
「川島さんに2時間話したのに、
出てきた文章は10行なんですよー」って感じ(笑)。

問題は、整理したポイントは3つとして、
しかも関係者全員に異論はないとして、
じゃー結局、どうなのよ。という事なのです。

その3大特徴の1番が、まさにいちばん伝えたい
(&伝わる)ことなのか、並列なのか、
3つを合わせたら別の言い回しになるのか。

企画書とか議事録の面白い所は(弱点ともなりますが)
「現状の整理は確かにそう、理屈は合っていそうだけれど、
そこから導き出されるものは何なのか」があいまいで、
矢印を順番に追っていったら元に戻った… みたいな
「整理止まり」におちいりがち。

そうして、導き出されることは果たして、
発信者にとっても受け手にとっても
「理屈+心情的にも」ピンとくることなのか。

あいまいな言い方になってしまいますけれど、
「理論と感性」「機能価値と情緒価値」みたいな話で、
「合ってるけどつまらない」って
「美味しそうじゃない」のと同じです。

大切なのは、料理に例えると
整理(素材選び) →コンセプト(切口・レシピ)
→ 表現(調理・盛り付け)。

その結論≒言葉に、
なんか良さそう・行けそうと思わせる
魅力があるかどうか。

私たちコピーライターは、
(もちろんディレクターもデザイナーも)
そこの所が仕事であって、
整理整頓で止まってしまってはダメなんだと。

私がお手伝いする制作物は、
「わかりやすい、読みやすい」と言っていただけることが多いです。
それでも、課題のまとめ直しだけでは広告にならない。

整理を突破するものや、
現状を踏まえつつの新しい視点や切り口や…
そんなものを発想し、ワードにし、ご提案できるかどうか。

自戒を込めて、きょうは
「整理するだけでは表現にならない」というお話を
させていただきました。