広告屋を42年やってきて(since1980)
最近はっきり見えたことは …

ちなみに1)
「川島は広告をつくる人=デザイナーさん」
と思われることが多いのですが、職能的に言うと
企画文章系を担当する「コピーライター」及び
全体を見る「クリエイティブディレクター」です。

ま、最終的には外部ブレーンのデザイナーさんと
印刷物やWebに落とし込むので、
広い意味ではデザイナー(設計者)ですけど。

さて、1980年の広告代理店入社時から
(文章をマス目の原稿用紙に埋め、デザイナーが
写植や写真を切り貼りしていた時代。お〜っ!)
企画内容を人に説明・説得するために、
企画書やスライドにするわけですが…

いまや多くは「パワポ」で作られる
「整理された図と流れ」というものに、
ずっと(42年!)違和感があって。

「A」という四角に囲まれた短い解説があり→
「B」という囲みに実線、ないし点線でつながれ。

あるいは「丸囲み」がいくつかあり、
重なっている部分、重なっていない部分があり。

「御社が目指すのは、ここです!」
「なるほどー、明快ですね!」

チャートや概念図。

発表者も聞き手も、その場では納得するものの、
あとから考えると「わかったようでわからない」。

一種「マジックに感心」したような所があって。

戦略・戦術の「整理の大切さ」は私も十分に
わかっているつもりで、
私の仕事の大半も「そこ」と言えるのですけど、
なんとも「パワポ的整理」はぴんとこない。

反対に、アップルの「故 スティーブ・ジョブズ」の
プレゼンは、対局に位置するものです。

ちなみに2)
よく会社内やプロジェクトチームの
「マーケティング畑」と「クリエイティブ畑」の人が
けんかになるのは有名な話です。
本来は、同じ目的を探るパートナーなのに、
手法(特にまとめかた)で「もめる」。
そういう点では、私は「マーケと仲がいい」
制作者なんですけどね。

整理のパラドックスとでも言うのでしょうか、
順を追って解説し、理詰めで導く左脳的整理と、
「そうは言ってもなー、ぽん!」的な
直感の右脳的整理はすごく違う。

プロジェクト管理の工程表「ガントチャート」も
苦手だなー。
とても大切な進行管理手法とわかりながら、
守れた試しがないのはもちろん(苦笑)
図として「腑に落ちない」のはなぜでしょう?

たぶん、左脳的優等生が敷いたレールに、
左脳の劣等生は「のり」きれないのかなぁ。

私のような人間に、大プロジェクトの進行管理や、
大会社へのプレゼン(稟議をうながす)は無理ですね。

「右脳で受け→発想し → 左脳的に整理して →提示。
受け手の右脳を響かせて→左脳でも納得してもらい →
他人にも拡散してくれる」

それが、零細広告屋の理想です。