2010年09月07日

任せたのに、水準以下。


最近の、私の仕事のことではありません。
(自分で書きながら、ほっ!)

知人の広告代理店の方が、制作物の完成間際になって
大いに困り(頼んでいた制作会社の仕上げが低レベル!)
「修正用の人材探し=もう前の人達には任せられない」で
私に相談がありました。

結局、その方が「代わりの制作会社」を見つけたのですが、
任せてもらって水準以下の成果物しか出せないのは問題です。

広告代理店(=その担当者)の仕切りの悪さが
指摘されるかもしれません。
しかし話を聞くところ、打ち合わせと下案検討に時間をさき、
十分方向性をかためた上で任せたとか。
表現の途中チェックをしたくても伸ばしに伸ばされ、
ぎりぎりになってようやく出てきたものが
「クライアントを納得させるレベルではなかった」とのこと。

クリエイターが、「抱え込んでなかなか見せない」傾向は、
よくわかります。
コピーライターよりデザイナーに特にその傾向がある。
「途中でいいから見せてください」と何度言っても、
自分が満足するカタチにしなければ見せたくないのか、
完成形に近くしないと“自分もわからない”のか、
見せたがらない。

細部の完成度はもちろんですが、制作物の方向性をジャッジし、
広告代理店やクライアントにも報告義務がある
私のようなクリエイティブディレクターにとっては、
「抱え込まれる」のが非常に困る。

ダメな例=クリエイターのひとりよがりの例としては:
●クライアントが「△」を望んでいるのに「○」をひたすら描いている。
●こちらの指示は、「○が△になった」という意図なのに、
「△が○になった」と誤解してデザインしている。
●企業ロゴタイプのデザインで、英文のスペルを間違ったまま
何十案も完成させている。
し、下書き(ラフ)段階で見せろよ!「LがR」に変わったら、
せっかくのバランスが違うだろうに!
あぁ、もうプレゼンに出発する1時間前!!!

制作能力自体の問題と、コミュニケーション能力の問題。

「すりあわせていく」のが広告制作なのだから、
両方が成立していないと、広告のプロとは言えません。

そして、AD(アートディレクター)とは、ただ単に
デザイナーが経験を積んだ(年を食った)だけではだめで、
広告制作の方向性と段取りをわかり、部下のデザイナーが
“狭い視野におちいりがち”な所に気付きを与えることが
できる人のことを言います。

「任せたら水準以上。」

途中チェックはありつつ、おおむね「お任せ」を気取れる
息のあったチームでありたいです。

kawashima2005 at 23:21│Comments(3)TrackBack(0)この記事をクリップ!広告制作・業界 

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この記事へのコメント

1. Posted by うにらいだー   2010年09月08日 07:46
5 業界は違えど、どこも同じですね。
よーく、わかります。
私も、そうならないよう自戒の毎日です。
2. Posted by 銀座ひやあせ野郎   2010年09月08日 08:39
課題への直截的な対応と作家性みたいなもの(個人としての好き嫌い)の
せめぎあいは、いまだ煩悩として 体内にシブトく残っています

クライアントや代理店の「あぁせいこうせい」物質も効きめがありません

その対処療法は 中期的あるいは視座を変えてみたとき、患体に思わぬ
副作用をもたらすかもしれない、というあたりをクリアできないと
けっきょくは予算のムダ使い・相互不信に陥りかねない

最近のスピード偏重は、そんな浅薄ウィルスの温床でもありますね


私たちは「表現技術者」である以上に「伝達技術者」であれと

そんなふうに 見えない出口を 探しているのです
3. Posted by 川島本人    2010年09月18日 20:09
広告調査畑の「うにらいだーさん」、
広告コピー畑の「銀座○○○(←いつも変わる)野郎さん」
こんばんは。
ご返事が遅れました。すみません!

(しかし、おふたりともなんというハンドルネームだ!)

仕事は、どんなものでも「チーム」です。
たったふたりで完結するプロジェクトでも、ふたりというチーム。

常に組んでいる社内スタッフやお取引先以外に、
久しぶりに頼む外部スタッフや、
時には他人の紹介で初めての方と組むことがある。

それが、楽しくもあり、大失敗もあり!
(各人の能力や努力だけでなく、相性やいろんな要素が
からみますからねー。)

各人ががんばる。任せる部分はまかせる。
(前提:良かれと思われる人選ときちんとしたディレクション)
チームとして完成させる。

そんな毎日が楽しくて、やってます。ホント。

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