広告のデザインダミーのことを業界では「カンプ」といいます。
建築の場合の「完成予想図」や「模型」みたいなものですね。
※ちなみに、グラフィック系の「カンプ」に対して、
CMのマンガ風コマ割は「コンテ」。

かなり完成度を高め、本物と見間違えるほどのものを
「バチカン(ばっちりカンプ )」、おおざっぱなものを「大ラフ」、
なぐり描きを「サムネール」などといいますが、
広告会社によって呼び方はいろいろです。

MAC(デザインプロ用のアップルコンピュータ)の普及や、
レンタルポジ市場(膨大な数!!!)の拡大もありますが、
とにかく“デザインを説明する試作”をどう作り、
会議やプレゼンテーションの席でお取引先に伝えるかが
AD・デザイナーの腕の見せどころ!

たとえば、キービジュアルに
「元気に明るくジャンプしている人物」を使いたい場合でも、
ぎごちない動きの写真で作るカンプよりは、
フリーハンドで「マル書いてちょん」のラフのほうが
気分が伝わり、各人の完成イメージが広がるかもしれない。

さすがに「レストランの紙ナプキンに、その場でささっと
書いたものが採用された」などという伝説は、
広告事情が厳しい(=クライアント内での稟議も難しい)
現在は無理かもしれませんが。

広告は、コミュニケーション。
たとえ口下手なAD・デザイナーでも、
優秀な人はラフカンプが雄弁に語ります。

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【英文アトランダム】Speech is silver,silence is gold.

言葉は銀であり、沈黙は金である。